他人を攻撃する思考と自分を攻撃する思考(認知の歪みが苦しめている)
- oryza63
- 2月21日
- 読了時間: 3分
認知の歪みというのがある。
これは認知、つまり物事の考え方受け止め方に歪みや偏りがある状態や思考を指す。
よく言われるのが
1. 白黒思考(物事を白か黒かではっきりさせないと気が済まない)
2. 過度な一般化(十分な根拠もなく、それを一般的な法則だと思い込む)
3. フィルタリング(良い部分を無視して、悪い部分だけ見てしまう)
4. マイナス思考(全てをマイナスに捉え、自分や他人の価値を下げる)
5. 結論の飛躍(根拠もなく結論付け、それ以外の考えを否定してしまう)
6. 誇大視と過小評価(自身の問題を必要以上に大げさに捉え、長所や魅力を低く捉える)
7. 感情的決めつけ(嫌なものは嫌、ダメなものはダメと感情で決めつける)
8. すべき思考(「~すべき」「~しなければならない」と脅迫的に思う)
9. レッテル貼り(自分や挫折した人にネガティブなレッテルを貼る)
10. 自己関連付け(自分に関係がないことでも自分に責任があると思ってしまう)
こういったものが、他人を攻撃する時によく出くる。
「あいつは●●だ」、「使えない奴だ」、「みんなそう思っている」などである。
これを使って誰かを攻撃したり、貶めたりして自己愛系の連中は波状攻撃を仕掛けている。
こんなことをされたらたまったものではない。
しかし、である。
これを自分自身にしている人もたくさんいるのである。
「私はバカだ」、「仕事ができないアホだ」、「みんなが私を嫌っている」と、こんな感じで自分で自分を貶めている訳である。
これは「推論の誤り」といって、事実を事実として捉えるのではなく、誤った推論をして結論を出す行動である。
これをすることで自己評価、自己肯定感を低下させ、自分の存在価値や存在意義を失わせるという自虐行為でもある。
推論の誤りが起きる理由としては「自動思考」が原因とされている。
自動思考、つまり自動的にその考えになってしまう、という頭の回路の問題。
さらに自動思考は、生まれてからの教訓や経験から作られた知識の集合体とされそれを
「スキーマ」と称している。
定型パターンとかテンプレ、思考のクセ、等と言われることもよくある。
自虐的・自殺的思考とでもいえる推論の誤りは、自動思考によって作り出される認知のズレによって起きているので、これを修正する必要がある。
それをするのが「認知行動療法」である。
ではどうやって修正するのか?というと、
過去に遡ってスキーマを見つけ出し、それによって作られている「認知の歪み」を修正するのである。
さらにここで重要なのが「言葉による表現」である。
自分の気持ち、感情、辛かった気分などを「言葉」で吐き出すのだが、言葉数が少ないと「それ」を表現しようがない。
「ムカつく」「イラつく」「ウザい」といった言葉しか出てこない、知らないのであれば、気持ちや気分を明確に表現できないので、自分自身でも気持ちの濃淡を理解できないことになる。
自分で理解できないのであれば、他人にそれを伝えることもできず単に「いつもムカついている人」になってしまう。
言葉を知らないと、自分の心の整理や治療もうまくできないのである。

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